【ドバイエアショー】エンブラエルの戦略機EJetE2
2025/12/06 航空機
ドバイエアショー2025において、ブラジルの航空機メーカーであるエンブラエルは、最新鋭機E2型機を地上展示してアピールしました。特に注目を集めたのは、その展示機が落ち着いたカラーリングを纏ったロイヤルヨルダン航空塗装E195-E2型だったことです。
エンブラエルは、航空機近くに設けた専用のシャレーにおいて、連日多くの訪問者を迎えました。私もこのシャレーを訪問する機会に恵まれ、特に2階に設けられたテラスからは、迫力ある飛行展示を見ることができました。飛行展示こそありませんでしたが、このような顧客との親密な交流と情報発信の場は、同社の市場戦略の強さを物語っております。
エンブラエルによるロイヤルヨルダン航空E2型機の役割説明

■エンブラエルの記者発表会
エンブラエルのプレス発表会では、現在、ロイヤルヨルダン航空(RJ)は「ブティック・エアライン」への変貌を遂げている最中にあると案内がありました。その変革の柱の一つが機材の若返りであり、かつて11年であった保有機の平均機齢を4年にまで短縮し、地域で最も若いフリートを実現しました。この戦略を担うのが、最新鋭のE2型機シリーズです。
E2型機は航続距離の面で大きな利点があり、ハブであるアンマンからマドリッドやアムステルダムといったヨーロッパの主要都市への路線設定を可能にしました。これらのフライトは2〜3時間の路線であり、120席程度の座席構成を持つE2型機は、より多くのマーケットへの運航を可能にする「完璧なサイズ」として評価されています。
現在、RJはE2型機を7機運航しており、その信頼性は99.8%という極めて高い水準を維持しております。これは、GTFエンジンの初期の課題があったにもかかわらず、スペアエンジンの確保や戦略的な運用によって克服された結果です。
特に、E2型機の機体重量が競合機と比較して最大9トンも軽量であることは、エンジンの劣化抑制に繋がり、整備コストの大幅な低減にも貢献していることが、今回のショーでの説明から明確になりました。
E2型機の優れた性能と市場の評価

■エンブラエルのシャレーの様子
エンブラエルは、E2型機の技術的な優位性を強調しました。E2型機は、従来型機とは異なる特徴的な形状のウィングレットをはじめとする空力的な改良が施されており、これが燃費効率を大きく向上させる主要因となっております。同社によれば、E195-E2型機は、旧世代の同社機と比較して最大33%もの燃料節約を達成しています。
日本への売り込み

ドバイエアショーは、エンブラエルが日本市場への期待を語る場ともなりました。同社社員との立ち話の機会があり、日系エアラインとの具体的な契約の進捗については明言を避けつつも、強い関心が示されました。
日本での運用実績は、日本市場におけるエンブラエル機の信頼性の高さを裏付けています。既存顧客であるJ-AirやFDAフジドリームエアラインズの動向にも大きな期待が寄せられており、次の追加発注が近いのではないかという示唆もありました。
日本への期待

エンブラエルの担当者は、「希望を持って努力を続けている」と述べ、近い将来、日本市場で何らかの良いニュースを発表できることに期待を滲ませていました。この熱意は日本だけでなく、より広範なアジア地域からの発注獲得にも向けられており、同社にとってアジア市場が今後の成長戦略の重要なフロンティアとなっていることが確認されました。
成長を牽引するブティック戦略

■エンブラエルのシャレーテラスからの眺め
ドバイエアショーでのエンブラエルの展示は、最新鋭のE2型機が提供する経済性、信頼性、そして運航上の柔軟性が、世界の航空会社の変革を牽引していることを明確に示しました。
RJのような顧客の成功事例は、同社が提唱する「ブティック・エアライン」戦略の有効性を証明しております。今後もエンブラエルは、このE2型機を武器に、特に成長著しいアジア市場におけるプレゼンスを一層高めていくものと予想されます。
取材協力:エンブラエル
